最近、職場の先輩に「一番好きな魚は何?」って聞かれた。
もちろん「プレコ」と答える。
「プレコって何?」
そう聞かれると、実は少し答えに困ってしまう。
もちろん、南米に生息するナマズの仲間で、吸盤のような口を持ち、硬い体に覆われた魚……と説明することはできる。
でも、それだけではプレコの魅力を語ったことにはならない。
なぜなら、プレコにはあまりにも多くの種類がいて、それぞれ姿や大きさ、模様、性質まで大きく異なるからだ。
今でも「プレコ=コケ取り魚」というイメージを持っている人は少なくない。
確かに、昔は水槽のガラス面などに張り付き、コケを食べてくれる魚として知られていた。
しかし、現在のプレコは、それだけでは片付けられないほど魅力的な観賞魚になっている。
プレコはとにかく種類が多い
プレコの魅力を語るうえで、まず外せないのが種類の多さだ。
小型のプレコから、飼育環境によってはかなり大型になる種類まで存在する。
さらに、体の模様も実にさまざま。
白と黒のコントラストが美しいプレコ、黄色やオレンジ色の模様を持つプレコ、細かなラインや迷彩のような模様を持つプレコなど、一見すると同じ仲間とは思えないほど違っている。
頭部にヒゲのような突起を持つ種類もいれば、体やヒレに鋭いトゲのような特徴を持つ種類もいる。
そして面白いのが、同じ種類でも個体差があること。
「この模様が好き」
「この体型がカッコいい」
そんなふうに自分好みの個体を探し始めると、いつの間にかプレコの世界から抜け出せなくなってしまう。
僕自身も、まさにその一人だ。
プレコはナマズの仲間
分類的に見ると、プレコはロリカリア科に含まれる魚たちの仲間だ。
この仲間には、プレコのほかにもロリカリアやファロウェラ、オトシンクルスなど、観賞魚として親しまれている魚がいる。
そして、このグループは現在でも分類の研究が進められている。
新しい種類が発見されたり、これまで同じ種類だと考えられていた魚が見直されたりすることもある。
つまり、プレコは「すべてが分かっている魚」ではない。
まだまだ未知の部分が残されている。
この「分からないことがたくさんある」というところも、プレコの面白さだと思う。
野生のプレコを見ると、もっと面白くなる
僕がプレコにハマっている理由の一つが、野生の姿を見てきたことだ。
これまで南米を訪れ、実際の川で魚を見てきた。
水槽の中で見るプレコと、自然の川で見るプレコでは、同じ魚でも印象が全く違う。
どんな場所に張り付いているのか。
どんな流れの中で暮らしているのか。
何を食べているのか。
どんな魚と一緒に生活しているのか。
そういったことを実際に見ると、普段水槽の中で見ているプレコの行動にも興味が湧いてくる。
「このプレコは自然では、こんな場所で暮らしているのか」
そう考えながら水槽を眺めると、ただ魚を飼うだけではない、もう一つの楽しみが生まれてくる。
プレコの魅力は「終わりがない」こと
プレコの楽しみ方は人それぞれだと思う。
コケ取り魚として飼い始めてもいい。
見た目のカッコよさから興味を持ってもいい。
好きな種類を集めてもいい。
繁殖に挑戦してもいい。
そして僕のように、野生のプレコを見に南米まで行ってしまってもいい。
入り口は人それぞれ。
でも、知れば知るほど新しい疑問が出てくる。
「このプレコはどこに生息しているんだろう?」
「自然では何を食べているんだろう?」
「どうすれば水槽で繁殖するんだろう?」
そうやって調べているうちに、また新しい種類が気になってくる。
そして気がつけば、水槽が増えている。
それがプレコという魚なのだと思う。
「プレコって何?」
そう聞かれたときに、僕が答えに困ってしまうのは、単純に説明できないほどプレコの世界が奥深いからなのかもしれない。
コケ取り魚。
ナマズの仲間。
南米の魚。
もちろん、それもプレコの一面だ。
でも、本当の魅力は、その先にある。
知れば知るほど、もっと知りたくなる。
