「プレコは高水温で飼育する魚」
そんなイメージを持っている人は多い。
確かに、一般的な熱帯魚として紹介されることが多いプレコは、25〜30℃前後で管理されることが多く、ショップでもそのように説明されることが多いだろう。
しかし実際には、プレコの仲間は非常に種類が多く、生息環境もさまざまである。
そのため、一概に
「プレコ=高水温」
とは言い切れない。
今回は、実際にペルー・ワジャガ川へ行った経験をもとに、プレコと水温について紹介していこう。
アマゾン上流域は意外と水温が低い
「アマゾン」と聞くと、多くの人は熱帯のジャングルを想像する。
しかし、アマゾン川水系は非常に広大であり、上流域まで含めると環境は大きく異なる。
特にペルー側のアンデス山脈に近い地域では、水温が驚くほど低い場所も存在する。
ペルーグリーンロイヤルプレコで有名なワジャガ川上流域では、季節にもよるが水温は20℃になることも。
日本の感覚では、むしろ「冷たい川」に近い印象すらある。
数キロ上流にはニジマス養殖場も存在する
さらに面白いのが、ワジャガ川上流域では、数キロ上流へ行くとニジマスの養殖場まで存在すること。
つまり、同じ地域圏に、
- いわゆる「熱帯魚」と呼ばれるプレコやナマズ
- 「冷水魚」と呼ばれるニジマス
が共存しているのである。
現地の市場では、熱帯魚として知られるナマズ類とニジマスが普通に横に並んで売られている光景を見ることもできる。
日本でのイメージとはかなり異なる世界だ。
ロイヤルプレコは本当に“熱帯魚”なのか?
もちろん、すべてのプレコが低水温に強いわけではない。
だが、
- ロイヤルプレコ
- ブロンズプレコ
- 一部のヒポストムス系プレコ
などは、かなり低めの水温にも適応しているように感じる。
極端に言えば、
「温帯魚に近い感覚」
で飼育できる種類もいるのかもしれない。
実際、これらのプレコは高水温すぎる環境よりも、やや低めで酸素量の多い環境のほうが調子を崩しにくいケースもある。
“ネットの適温”だけが正解ではない
ネット検索をすると、
プレコの適温は28℃!
のように、一律で書かれていることも多い。
もちろん、それが間違いというわけではない。
ただし、プレコは種類によって生息地も環境も大きく異なる魚である。
重要なのは、
「その魚がどんな川に生息しているか」
を知ること。
現地環境を知ることで、
- 水温
- 流れの強さ
- 酸素量
- レイアウト
- 季節変化
など、飼育のヒントがかなり見えてくる。
雨期・乾季を再現する飼育も面白い
現地では、雨期と乾季で環境が大きく変化する。
水量、水質、水温、流速――
すべてが季節によって変わる。
そのため、水槽でも、
- 季節で少し水温を変える
- 水流を強める
- 水換え頻度を変える
など、“現地っぽさ”を意識した管理をしてみると、新しい発見があるかもしれない。
単に「飼う」のではなく、
「生息環境を再現する」
という視点は、プレコ飼育の大きな魅力のひとつである。
まとめ
プレコは種類によって適した水温が大きく異なる。
特にアマゾン上流域に生息する一部のプレコは、一般的なイメージよりかなり低い水温環境で暮らしている。
ワジャガ川上流域のように、水温20℃前後の環境にロイヤルプレコ類が生息し、さらにその近くでニジマス養殖まで行われている地域も存在する。
ネット上の「適温」だけを鵜呑みにするのではなく、現地の環境を知ることで、より深くプレコ飼育を楽しめるだろう。
雨期・乾季まで意識した飼育を始めれば、プレコという魚の面白さはさらに広がっていく。

